心と脳に栄養補給

本やら美術やら映画やら、すこやかなマインドのために楽しんだものあれこれ

抽象絵画の巨匠と、構造 【ピエト・モンドリアン】

みなさんは美術鑑賞、お好きでしょうか?

とっつきやすい印象派絵画や、なじみのある浮世絵などがお好きな方は多いかと思いますが、近・現代の抽象絵画はいかがでしょうか?

よくわからない、難しい、なにをみたらいいのか...

そんな風に思ってしまいますよね。

 

私も抽象絵画、得意ではないのですが、新宿のSOMPO美術館で開催中の「モンドリアン展」に遊びに行きました。

 

モンドリアンといえば、「ザ・抽象画家」という感じの、幾何学的構成と原色のイメージがあるかと思いますが、実は彼はアカデミーで硬派な絵画も勉強していました。

 

初期は印象派を思わせるような筆致の風景画や肖像画も手掛けていました。

それはそれは荒い筆致で後処理も雑で、ゴッホのような凹凸が見られたり色の乗っていない部分があったりと独特な雰囲気でした。

彼は徐々に補色や幾何学的に空間を分割することに興味を持ち始めるのですが、そのころの絵画は目もさえるような蛍光色に近い色やパステルカラーを多用しており、鮮やかすぎて目もちかちかします。またスーラのような点描チックな作品も制作していました。

それらを経て、人々によく知られている「コンポジション」などの作品にたどり着きます。

 

本作品展はその流れを丁寧に追っており、彼のキャリアを包括的に知ることができます。また、彼の所属していた「デ・ステイル」でともに活動していたリートフェルトなどの作品も展示されており、構成主義全体をまんべんなく楽しむことができました。

わかりやすく、ボリュームも少なすぎず多すぎず、とっつきやすい展示会でした。

 

私は書籍を通して美術史や画家を独学したのですが、知識とともに「絵画の見方」を養うと、一見わかりにくい絵画も自分なりの解釈が生まれ始め、より深く絵画の世界を楽しめます。

おすすめは初心者でもわかるように、たくさんの絵画を取り上げ丁寧に解説されている本。ネットで画像を探して拡大してじっくり見ながら読むのが楽しいですよ。

興味がある方は「論理的美術鑑賞」という、堀越啓さんの書籍はいかかでしょうか?

フレームワークを紹介してくれているので、いろんな絵画へ応用が利くと思います。

感性豊かな大人を目指して。。。